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  勉強のヒント 

 
英文を「速」く「正確に」読み取る方法


英文の読み取り方としては、よく「精読」と「速読」が対比的に取り上げられます。
「精読」は、文の構造を分析して厳密な解釈を行う読み方、
「速読」は、文章をスピードを上げて、内容を大まかに把握する読み方です。
但し、入試では、読み取りの精度が問題となるため、
かつては「精読」だけが入試訓練の対象でした。
その後、高校・大学の入試問題は、長文読解問題の割合が増加しただけでなく、
各長文自体の語数も倍増したため、読むスピードが重視されるようになりました。
昨今、速読を指導する参考書・問題集・ウェブサイト等、無数に見られます。
しかしながら、「速読」という言葉が使われたことから、
そのやり方に大きな混乱が生じてしまったことには注意が必要です。

   [注意 1] 日本語の速読法と混同しないこと

日本語文の主な速読法は、昔からの「斜め読み」「とばし読み」など、
文章中に使われている言葉を拾って、全体の意味を掴むという方法です。
英文の場合にもこれを使おうとする人がいますが、
これには根本的な無理があります。
先ず第一は、日本語と英語では、文字の性質が根本的に違います。
日本語の文章では、表意文字の漢字で書かれた語句自体が意味を持つため、
それを拾い出すだけで文の意味に見当が付きます。
これに対して、表音文字アルファベットでは、
書かれた語句自体は、単に音しか表しませんので、
目で見るだけでは意味につながりにくく、読み違えも多くなります。
次に、日本語には語句と語句のつながりを示す助詞があります。
つまり、文中にある個々の語句を取り出しても
「て・に・を・は」が付いている形で認識すれば、
文の中で果たしている役割が判るわけです。
これも、語句の拾い読みが有効である原因です。
しかし、英語には日本語の助詞にあたるような物は存在しません。
英語は「語順によって文の構造を表す」言語です。
従って、個々の語句を文から切り離して取り出してしまうと、
「他の語句とのつながり・文の中での役割」が判らなくなります。
その状態で、文の意味を読み取ろうとすれば、
誤りが多くなるだけでなく、かえって時間もかかる結果となります。

   [注意 2] 一般的な英文速読法と混同しないこと

英語を使う人々の間にも速読法はあります。
読む目的に合わせて速度を変える読み方です。
資料から自分に必要な情報を把握するためなら、
段落の頭と最後に注意を向けて、その他の部分は読み飛ばすことが出来ますし、
予め自分に必要な事項が決まっていれば、
それに関する言葉を探して英文をスキミングすることが行われます。
このような読み方に魅力を感じる人もいるようですが、
これは文章中の単語や表現をすでに十分理解している人向けの読み方です。
入試問題は、主題以外の事も質問しますし、空所を作って補充させたり、
知らない単語を意図的に入れたりするわけですから基本的には使えません。

   それでは、精読に戻るのが良いのか?

これら既存の速読法が使えないため、教育現場では、
精読を行いながら知識と練習量を増やすことで、
スピードアップを図るという方法もよく採られます。
速読法を求める受験生に対して、
「先ず文法と単語を仕上げること」というような指導もまだ見られます。
これでは昔の構造分析・精読法から受験生を解放出来ません。
結局、英文の量が増えた最近の入試問題への対処は、
一人一人の努力次第ということになってしまい、
根本的な解決にはなっていません。

   速度と精度を両立させた読み取り方

文法とは、文を作るための規則です。
文を書く場合には色々細かい規則に従わないと正しい表現は出来ませんが、
読み取る場合にも全ての細かい規則が必要なわけではありません。
「主語と述語動詞」「英語の修飾の仕方」など、
基本的なルールが判っていれば、
英文は正しく読み取ることが出来ます。
まして、長文練習に入る前に、
「文法問題集を仕上げておかなければならない」
などということは全くありません。
英文を正しく読むために押さえておくべき基本的ルールは
「英語は語順によって文の基本構造と修飾関係を表す言語である」
ということです。
これは英文を作る場合のルールであると同時に、
英語を使う人々の考え方のルールでもあります。
このルールに従って読み取れば、速度を上げても精度を保つことが出来ます。

   英語の語順に従って英文を読み取るとは

語順に従って意味を取り始めると、不足する情報が明らかになります。
例えば、Many people want … というような主語・動詞の意味を取ると
「多くの人々は好む」で、「何を?」が不足します。
その疑問の意識を持って次を見れば、答えが書いてあるというのが英語の語順です。
語順通りに意味を取るというのは「疑問の意識を持って読み進める」
という作業です。
修飾語句や節を伴っても意味の取り方は同じです。
少し長くなった文を例に採ってみます。
   On holidays, many people living in big cities want to have chances to enjoy nature.
文頭は前置詞の付いた名詞です。
前置詞が付いた名詞は、主語ではありませんから、
文頭にあれば副詞句であることが判ります。
そこで、「休日には」と意味を頭に置きます。
次に前置詞が付いていない名詞が出てきたので、
これが主語ですから「多くの人々は」と意味を加えます。
疑問点は「それがどうしたのか?」ですが、
次が動詞ではなく分詞なので「多くの人々」に対する修飾だと判断します。
日本語では修飾は前からしか行えませんので、
和訳しようとすれば、「住んでいる多くの人々」となりますが、
頭の中では、単に人々の説明が加わったと思えば良いだけです。
そして、「住んでいる」に対しては「どこに?」が疑問で、
その答えが「大都市に」になります。
次が動詞wantですから、「多くの人々は好む」と文が出来上がります。
疑問点は「何を?」で、to have「持つことを」がその答え、
さらに「何を持つか?」の疑問に「機会を」という答えがあり、
「どのような機会?」に対して、「楽しむための」という答えが出てきます。
ここでまた疑問は「何を楽しむ?」で、最後の「自然を」が答えです。
これだけで文の意味は正確に掴めているので、
訳語の語順を並べ替えて
「休日には、大都市に住んでいる多くの人々は自然を楽しむための機会を持ちたがる」
などと日本文に直す必要は全くありません。
読み取り方の説明を書くと長くなりますが、
この作業は、目が届いた部分の意味を頭の中で加えて行くだけですから、
実際には一瞬で終わります。
大切なのは疑問とその答えとしての「て・に・を・は」を
確実に意識することです。
「精読」のように、文を分解して構造分析をする手間は必要ありません。
「スラッシュ・リーディング」のように、
どこまでが意味のまとまりかを確かめたり、
まとまりの切れ目ごとにスラッシュを書き込む手間も必要ありません。
英文を速く正確に読むコツは、
「語順に従って、前から意味を足して行く」だけです。

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CATのオンライン英語個人レッスンの読解指導は、 語順に従った基本的読み取り方と 実際に志望する学校・学部の問題に対して、 一人一人の頭の個性に合わせた応用の仕方のトレーニングを行っています。

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